コミュニケーションというと、「言葉で伝える」というイメージがありますが、非言語によるコミュニケーションを意識されたことはありますか?
言葉以上に重要になるのが、表情やしぐさなどの態度に表れる部分です。
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンによって1971年に発表された、「7-38-55ルール」あるいは「3Vの法則」と呼ばれる法則があります。
この法則によると、人はコミュニケーションを取るときには、受け取る情報を100とすると、相手から発せられる言語の内容である
「言語情報」から7%、
声のトーンや口調、大きさ、話す速さなどの
「聴覚情報」から38%、そして相手のジェスチャーや視線、表情といった
「視覚情報」から55%の情報を受けています。
つまり、言語メッセージよりも非言語コミュニケーションによるメッセージのほうが、影響力が強いということが分かります。
米国テキサス大学の名誉教授でコミュニケーションの研究者であるマーク L.ナップによれば、非言語コミュニケーションは次のように分類されます。
① 身体動作
「目は口ほどに物を言う」という言葉があるように、視線や目の動きによって相手に与える印象が違ってきます。
② 身体の特徴
頭髪に一本の乱れも見られなければ、その人はおそらく几帳面な方だろうとか、逆に寝癖がついたままの人は、外見を気にしない人なのだろうという印象を与えることがあります。
③ 接触行動
日本人が初対面の人に接触行動をとることは少なく、握手することもそう多くはありません。しかし、国際的なコミュニケーションの場においては、日本人の接触行動の少なさがネガティブな印象を与える場合があります。文化によって相手に与える印象が変わる要素です。
④ 近言語
会話の中の相づち(「はい」、「ああ」など)は、日本人の会話の中では普通のもので、反対に会話中に相手からの相づちがないと、話し手は聞いてもらえていないのではないかと不安や不満を感じます。しかし、民族や文化によっては過度の相づちが良くない場合もあります。
⑤ プロクセミックス
プロクセミックスとは、1960年に米国の人類学者E.T.ホールが提唱した理論で、他人との距離のとり方は意思の伝達手段の一つという考え方です。
日本人は、よほど親密にならない限り相手との距離を広めにとります。近寄ることでより親密さが増しますが、この距離の取り方には文化的な違いがあります。
⑥ 人工物の使用
相手に与える印象に強く関係する重要な要素です。TPOに合わない服装などは、相手に不信感を与える要因となってしまいます。
⑦ 環境
環境はコミュニケーションに影響を与えます。例えば、寒色系の照明よりも暖色系の方が落ち着いた雰囲気になるため、ゆっくり話をしながら食事をするのに適しています。
無意識的にあらわれてしまっているケースも見受けられます。
非言語コミュニケーションには、表情や視線、姿勢など意識してみてください。
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