【なぜ、それほどに人を思いやれるのか】

心に小さな火を灯す。

自己肯定感アニキ 津田 紘彰です。

東日本大震災。




私にとっても、大きな人生の転機となった出来事でした。




3月13日未明に被災地入りし、そこから足掛け5年半、名古屋と宮城・岩手・福島を往復して




初期の頃は支援品や食料の支給・仕分け、津波に流された瓦礫の撤去、家や企業の清掃、




中期から後期にかけてはタッチケア(非言語でマッサージしながら心や身体のケアをする)、そして直接の対話で心のサポートをするカウンセリング、コーチング…





本当に微力ながら支援活動に従事して参りました。




被災地で目の当たりにしたのは、じっと悲しみに堪えながらそれでも私のことさえ思いやって下さる東北の皆様の姿。





いつも、少しでも笑顔を届けられたら…の一念で現地に赴くのですが、いつも励まされ、勇気さえもらって帰途についていました。






あれから10年。少しはカウンセラーとして成長できただろうか…といつも心の片隅には東北で出会った人たちの存在があります。





ネットで見つけた、以下の記事。





ぜひ、読んで頂けたらと思います。



_________



3月14日。


炊き出しボランティア3日目。


大震災から4日目の夜、僕の人生観が大きく変わる出来事が起こった。

昼間から準備していた1200人分の豚汁を作り、皆に配給していた。


正直、僕も料理人のはしくれだから もっと豪華なものを提供したいと思ったけど、1200人分の食材を考えると、こんなもんしか出来ない・・・。


ちょっと申し訳ないくらいに感じてた。


殆ど肉の入っていない“豚汁”という名の野菜スープ。


僕の列に並んでくれた人に次々に豚汁を配っていると、その婆ちゃんは僕の前に現れた。


「おい兄ちゃん、オレの家は津波で流されちまったんだ。


爺ちゃんも何処かさいっだがねぇ。


もう、なにもかも無くなっちまったからよ、豚汁、大盛にしてくれ。

それくらいしてもらってもバチ当たらんべよ」


正直、一瞬、悩んだよね。


なんか気難しそうな頑固婆ちゃんって感じだったし・・・。


かわいそうだけど、一人だけ大盛を認める訳にはいかないから、


「みなさ~ん。すみませーん。


このお婆ちゃん、津波で家やら全部流されちゃったみたいで~


特別に豚汁大盛でよそってあげても良いですかぁ~」


僕はありったけの大声で、後ろに並んでいる人達に聞いてみた。


ちょっとふざけた感じでね。


そしたら・・・なんと、みんな笑顔で一斉に首をタテに振りはじめたんだ。


僕は驚いた。


正直予想外だった。


だから、僕も満面の笑みで「これでもかよっ」てくらい、なみなみと豚汁を注いであげたんだ。


「ほいっ、おまたせ!超大盛の豚汁だよ!」


そう言って、ふとその頑固そうな婆ちゃんの顔を見ると、満面の笑みで、穏やかな顔で、でもちょっと涙目で・・・。


「おう。兄ちゃん、あんがとよ、この豚汁1杯でよ、全てチャラにしてあげるわ。


オレの財産全部と豚汁、交換だな。


また明日から元気で生きるべ。」


そして、最後にこう言ってくれた。


「震災あったけどよ、兄ちゃんと出逢えたから・・・良がった」


その瞬間!なんかもう僕は無我夢中で、婆ちゃんに抱きついていたんだ。


「絶対頑張んべな! 婆ちゃんありがとう。

ありがとう、頑張んべな!!」


そう言って僕は婆ちゃんとハグしながら号泣していた。


婆ちゃん、僕の方こそ婆ちゃんと出逢えて良かったよ。ありがとう。




_________



「私はね、思い出全部流されちゃったけど、またたくさん作るから。お兄ちゃんはね、まだ若いから、たくさん幸せな思い出これから作ってね」




8月の暑い日に東北を訪れ、別れ際に握手をしながらそう声をかけてくれた避難所のおばちゃん。



泣いちゃいけない…


全てを失ってしまったこの方たちの前で絶対に泣いては…

と思いながら、溢れる涙を止められず、そんな私の背中をポンポン、と叩きながら




「がんばって…」


と励まして下さいました。





極限の苦難においてさえも他者を思いやれる、日本人の本当の強さと優しさを見せて下さった東北の皆様の姿が、私の原点になっています。




この空の向こういる、あの日出会った皆様の幸せを祈りながら、今日も生きます。





どうか素晴らしい一日を。

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